近年、日本では自然災害や世界情勢の影響を受け、物価の上昇が続いています。飲食店業界においても、食材の高騰によって経営が非常に厳しくなり、閉店を考えるケースが続出しているのです。
飲食店を開店したものの、さまざまな事情により、閉店を考える方も多いのではないでしょうか。
そんな時、飲食店を閉店する為にどれくらいの費用がかかるのか気になりますよね。
そこで今回は、
・飲食店の閉店手続きと流れ
・賃貸借契約書で確認したいこと
・飲食店の閉店にかかる費用
・注意点
・まとめ
について解説します。
さまざまな手続きがあり、費用もかかるため、計画的に進めることが大切です。
流れを間違えると損してしまう可能性も・・・。
必要な費用や準備の大事なポイントについて解説しますので、ぜひご覧ください。
飲食店の閉店手続きと流れ
・居抜き売却を扱う不動産業者に相談、依頼
・金融機関へ借入金について相談
・物件貸主や管理会社への解約通知
・従業員への解雇通知
・取引先への連絡
・お客様への閉店告知
・リース物品の清算、レンタル物品の返却
・スケルトン工事または居抜き物件の売却契約を行う
・賃貸契約の解約
・電気、水道、ガスの解約
・行政機関への届け出(保健所、税務署、警察署、消防署、労働基準監督署など)
一般的に、行政機関への届け出は廃業日以降の手続きとなりますが、物件の解約通知は退去の6か月前までに報告しないといけなかったりと、それぞれ手続きの期限があります。
閉店日を見越して、手続きの漏れがないよう早めに行動し、計画的にスケジュールを立てることが大事です。
賃貸借契約書で確認したいこと
閉店する前に必ず賃貸借契約書の内容を確認しましょう。
特に、以下の点が重要です。
・原状回復義務について
原状回復とは、「店舗を借りる前の状態に戻すこと」です。内装や設備等を撤去しなくてはなりません。
ほとんどの物件で原状回復工事が必要ですが、物件によって回復義務の程度は異なります。どのような状態まで戻すのか、物件貸主や管理会社と認識にズレがあると、トラブルになりやすいので要注意です。
閉店費用にも大きくかかわりますので、必ず確認しましょう。
・解約通知の期限
物件によって異なりますが。多くは3~6ヶ月前に報告する必要があります。
賃貸借契約書に記載がありますので、必ず確認しましょう。
飲食店の閉店にかかる費用と種類
一般的には以下のような項目が挙げられます。
・賃貸契約終了日までの賃料
・リースやレンタル物品のレンタル料
・退去日までの光熱費
・閉店日までの従業員の給与
・設備の処分費用
・原状回復工事の場合は工事費 など
ケースによって変わりますが、100万円以上はかかることが多いでしょう。
ただし、居抜き物件として売却する場合と、原状回復工事の有無・程度によって費用は大きく変わります。
原状回復工事が必要な場合は、飲食店であれば1坪あたり2~5万円程度の工事費がかかることが多く、出費が大きくなりがちです。また、解体そのものの費用の他に、廃棄物処理費用がかかることもある為、事前に確認しましょう。
一方、居抜き物件として売却することが出来た場合は、内装や設備をそのまま譲渡するため工事費がかからない上に、造作譲渡金を頂く事が出来るケースがあります。
解約予告前に次の借り手を見つけることができれば、さらに家賃が浮くため、手元に資金を残す事が出来ます。
しかし、飲食店の入れ替わりが激しく、必ずしもタイミング良く居抜き物件として売却できるとは限りません。
冒頭でも触れたように、物価高騰などの影響を受けて、出店に対して慎重に考えてる方も増えているのも現状です。
そのため、閉店を考え始めた際には、早めに専門家へ相談・依頼をし、戦略的に計画を考えていくのがよいでしょう。地域に特化している不動産業者であれば、エリア別の動向を把握したうえで閉店の計画を立てることができるため、オススメです。
注意点
・保証金の返金に頼りすぎないよう注意
賃貸借契約をした際に預けた保証金は解約時に返金されますが、即刻返金される訳ではありません。解約後数か月かかったり、全額返金されるとも限りません。
保証金を含めた資金繰りを計画している場合、想定外の出費に困ってしまうことがあります。保証金は補助的なものと考えて、閉店の計画を立てるようにしてくださいね。
居抜き物件として売却することができれば、原状回復工事をしなくてもよく、逆に造作譲渡金としてまとまったお金を頂く事が出来る場合があります。同じ内装や設備を譲渡することができることからお互いにとってメリットがありますが、新しいテナントが全ての内装や設備を受け継ぐとは限りません。今の内装や設備をそのまま使用して頂ける後継テナントを見つける事が出来れば高額売却に繋がりやすくなります。
まとめ
こちらの記事では飲食店の閉店にかかる費用について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
この記事のポイントは、
・閉店を考えるなら、早めの行動が必要(一般的に6ヶ月程前)
・ケースによって違うが閉店には100万円以上の費用がかかる
・居抜き物件として売却できれば、閉店に伴う利益を出せる可能性がある
・居ぬき物件の売買に強い不動産業者に相談して進めるのがオススメ
です。
飲食店を閉店する際には、さまざまな手続きがあるため、早めに行動し、計画を練っていく必要があります。
大事な店舗を閉店するのは勇気の必要なこと。
今回の記事を参考に、悔いのない選択ができるよう祈っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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