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造作譲渡とは?わかりやすく解説!

造作譲渡とは

店内の内装(造作)や設備を解体せず、そのまま次のテナントへ譲ることを指します。

閉店する際には一般的に原状回復工事の義務がありますが、せっかく揃えた設備を解体するのは出費もかさみ、もったいないですよね。

合意がとれた場合は次のテナントへ設備などの内装をそのまま譲渡することができるのです。


造作譲渡料に含むもの、含まないもの

一般的に天井や壁などの内装(造作)に加え、厨房の設備やエアコン、トイレなどが含まれます。

調理器具や食器、リースの物品については含まれません。

音響設備やレジ、テーブルや椅子については含まれる場合とそうでない場合があるため、必ず造作譲渡に何が含まれるか確認するようにしてください。


造作譲渡のメリット

①前テナント(閉店する側テナント)のメリット

・閉店にかかる費用を抑えることができる

費用を抑えられる点が最大のメリットです。原状回復工事が必要な場合は巨額な費用がかかってしまいますが、それを抑えることができるのです。全て譲らないといけない訳ではなく、部分的に譲渡することも可能です。

②次期テナント(入店する側テナント)のメリット

・1から準備するよりもスムーズな開店が可能

前テナントの内装などを引き継ぐことができるため、同じ業態の場合はスムーズな開店が可能です。交渉次第では費用が少し安くなる場合もあるでしょう。


造作譲渡のデメリット

①前テナント(閉店する側テナント)のデメリット

・必ずしも造作譲渡できるとは限らない

次期テナントが見つかりにくく、閉店までに時間がかかってしまう場合もあります。立地条件や内装などによっても左右されるでしょう。

閉店を考え始めた時点で不動産業者に相談したり、知り合いの出店を考えているオーナーに声をかけておくなど、早めの対策を打っておく必要があります。

②次期テナント(入店する側テナント)のデメリット

・引き継ぐ内装や設備が老朽化している可能性がある

前テナントから引き継ぐ時点で、いわゆる中古の状態になります。そのため、設備などが劣化している可能性も否定できません。一度契約した後は、故障や不備があっても、原則引き継いだテナントの責任となりますので、買い替え費用や処分費用が必要です。トラブルを避けるためにも、入念に確認し、納得したうえで譲渡を受けるようにしてください。

・希望していた内装や設備が譲渡物に含まれていない可能性がある

前テナントが譲渡する物を決めることができるため、譲渡されると思っていたものが対象外である可能性もあります。そのため、造作譲渡の対象となるものが何なのか、必ず確認しておきましょう。


ポイント・注意点

①必ず、あらかじめ物件貸主の承諾を得るようにする

造作譲渡の契約自体は前テナントと次期テナントのオーナー間で取り交わされますが、そもそも造作譲渡をしても良いのか、物件貸主に承諾を得るようにしましょう。

基本的には原状回復義務があるため、絶対に無断では行わないようにしてくださいね。

②造作譲渡に含まれる内装や設備について

トラブル発生を防ぐためにも、必ず何が含まれて、何が含まれないのか確認するようにしましょう。リース品の有無なども含めて確認してください。

特に、引き継ぐ側である次期テナントは、注意が必要です。

造作を一式として譲り受けた場合、不要な設備などが含まれている可能性もあります。しかし、譲り受けた時点で次期テナントの責任となるため、処分費などがかかる場合があります。不要なものを事前にピックアップしておくことで、値引き交渉が可能なケースもありますので、見極めが必要でしょう。

また、造作は経年劣化による老朽化が進んでいる可能性もありますので、状態も必ずチェックしてくださいね。

③過去に何度もテナントの入れ替わりがある物件は要注意

飲食店はテナントの入れ替わりが激しく、数年間で何度も開店と閉店を繰り返している場合も少なくありません。

改装した時の図面が残っていなかったり、あやふやになっていて、配管トラブルや雨漏りなどの問題が発生した時に困ってしまうケースもあります。

入れ替わりが頻回にある場合は、何度も人の手に渡っているためそういったトラブルが発生しやすいので要注意です。


まとめ

今回は造作譲渡についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

この記事のポイントは、

造作譲渡とは、店内の内装や設備をそのまま次のテナントへ譲ること。

・前テナントも次期テナントも、特に費用の削減になるため利用するメリットは大きい。

・すぐに次期テナントが見つからないこともある。

・譲渡した内装や設備に不備があったり、改装時の図面が行方不明になっておりトラブルになることもある。

・契約内容の入念な確認が必要である

でした。

確認事項はありますが、事前に気を付けるべきポイントを抑えて契約すればトラブルは避けることができます。

造作譲渡をうまく活用して、店舗の出店や閉店に役立ててくださいね。

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